2016年05月22日

「バスタ八王子」を考える

 2016年4月に開業したバスタ新宿を利用しました。これまで新宿駅周辺の19カ所に散らばっていた高速バス乗り場新宿駅南口の1カ所にまとまられ、新宿駅直結と非常に便利になりました。以前はバス乗り場を探すのにも苦労していたことが嘘のようです。

 これにより、新宿駅南口への人の流れが生まれました。新宿駅南口は高島屋紀伊国屋書店などがありましたが、人がまばらでした。バスタ新宿は、最大で1日1625便をさばくため1日数万人が利用します。新宿駅南口に人の動線が誕生し賑わいが生まれ、高島屋など南口の商業施設が大きな恩恵を受けています。

 ひるがえって八王子の場合を考えたとき、中央道圏央道が交差し、国道20号国道16号が交差する東京西部の道路交通の要衝でありながら、まったく高速バスターミナル機能を生かしていません。

 八王子には中央道八王子インター圏央道高尾山インター圏央道八王子西インターの三つのインターチェンジがあり、さらに新滝山街道圏央道あきる野インターに直結しています。実質4つのインターチェンジを利用できる状況です。

 特に中央道などは、新宿から八王子までは休日つねに混雑しています。八王子発着の高速バスターミナルがあれば、八王子近隣の方は、八王子まで電車などで来て、新宿−八王子間の混雑を回避できます。

 八王子市は、ぜひ八王子地の利を生かした「バスタ八王子」建設にリーダーシップを発揮し、東京西部住民の利便性向上に努めるできです。幸いなことに八王子駅中央道八王子インターを結ぶ国道16号の上下4車線拡幅工事が今年度中にすべて完了し、アクセスが格段に良くなります。

 「バスタ八王子」の建設地としては、一等地でありながら街の賑わいに貢献できていない京王八王子駅西口一帯がベストです。隣接する公園や周辺建物の更新もあわせて、「バスタ八王子」と商業施設、ホテルなどを一体化し、開発することが望まれます。

 同所は、駅直結であり、国道20号に隣接しているため、排ガスや騒音を最小限に抑えられます。なによりJR八王子駅京王八王子駅を結ぶアイロードに人の流れ、賑わいが生まれ、商業活性化に大いに貢献します。

 ターミナルには人が集まります。中心市街地活性化のためにも、また学園都市八王子の学生の帰省のためにも、また産業都市八王子のビジネスマンのためにも、八王子市には「バスタ八王子」建設に向かって京王電鉄との協議を開始し、早期着手してほしいですね。

PS:合わせて、八王子市が計画しているLRTは、モノレール八王子ルートではなく、八王子駅南口から北野を経由、南大沢駅までを繋ぐルートにすべきです。

 最短距離で八王子駅南大沢駅を繋ぎ、費用の面でも工期の面でも大幅に縮小できます。そうすることで、八王子駅八王子市南部住民・学生の往来を早期に実現することができます。

 モノレール八王子ルートについては、現行ルート実行をこれまで以上に積極的に働きかけ実現することで、八王子市内の交通網は格段に向上します。


【参考記事@】
バスタ新宿
バスの玄関口集約 利用者「便利になった」
(2016年4月4日 毎日新聞 東京夕刊)
http://mainichi.jp/articles/20160404/dde/001/040/066000c

開業したJR新宿駅に直結する国内最大級のバスターミナル「バスタ新宿」(中央)=東京都渋谷区で2016年4月4日午前8時55分、本社ヘリから
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 東京のJR新宿駅に直結する国内最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」(東京都渋谷区)が4日、オープンした。同日午前4時、初便となる高速バスが目的地の羽田空港へ向け出発した。バスタ新宿は新宿駅南口の基盤整備事業の一環として、国土交通省などが2006年から整備。1・47ヘクタールのエリア内に、周辺に分散していた19の高速バス乗降場を集約した。

 バスタ新宿のバス乗降場は15カ所、乗り入れる運行事業者は118社に上り、計39都府県との間を結ぶ。ピーク時の1日の発着便数は最大1625便で日本一。タクシー乗り場もある。

 3日には石井啓一国土交通相や東京都の舛添要一知事が出席して式典を開催。舛添知事は「世界中から多くの人を引きつけ、経済効果を全国に波及させたい」と話した。【飯山太郎】

利用者「便利になった」

「バスタ新宿」でバスを待つ乗客=東京都渋谷区で2016年4月4日午前8時45分、丸山博撮影
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 「便利になる」「分かりやすい」。4日開業した東京の「バスタ新宿」には、早朝から多くの利用客が詰め掛け、真新しい設備に笑顔を見せていた。バス乗り場に隣接する広い待合室には、早朝からバスの出発を待つ多くの人。行き先や出発時間、乗り場などの案内が示された電光掲示板で、乗るバスを確認する利用者らの姿が見られた。職員は分刻みで出発するバスを、日本語と英語でアナウンスして回っていた。

 長野・白馬行きのバスを待っていた東京都中野区の介護職員、丸山恵子さん(69)は「きれいな待合室で気分がいい」とにっこり。実家に帰る際に高速バスを利用しており「使いやすくなってうれしい」と話した。仕事のため、毎週高速バスで千葉から東京に来るという千葉県市原市の会社員、佐竹良太さん(35)は「これまでの降り場と違うのでまだ違和感があるが、早く場所を覚えたい」と話し、駅に向かった。

新宿駅周辺の高速バス乗降場とバスタ新宿
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【参考記事A】
なぜ東京に「巨大なバスターミナル」が必要か
「バスタ新宿」は大都市交通網を一変させる?
(2016年04月12日 東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/113216

最大で1日1625本のバスが発着する「バスタ新宿」のカウンター。案内板には全国各地へ向かうバスの便名がずらりと並ぶ
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 4月4日にオープンした東京・新宿駅南口の高速バスターミナル「バスタ新宿」のニュースを見ながら、「ここまで騒がなくても良いのに」と思った人がいるかもしれない。しかし、高速バスの世界で見れば凄いことなのだ。

 日本最大級の高速バスターミナル「バスタ新宿」――。ピーク時には最大で1日1625便をさばくという。これは、東京駅からの東海道新幹線の出発本数が1日約300本、東北・上越・北陸新幹線を含めても約450本という現実を踏まえれば、驚異的な数字だ。

 確かに地方に目を移せば、バスターミナルを持つ都市は数多く存在する。そのうち従来日本最大級と言われてきた、福岡市にある「西鉄天神高速バスターミナル」は、西日本鉄道によれば1日約1600台が発着しているというから、バスタ新宿は飛び抜けた存在ではない。

「バスタ新宿」が注目されるワケ

「バスタ新宿」の外観。JR新宿駅上の人工地盤上に位置する
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 ではなぜバスタ新宿が注目されるのか。TVメディアの東京偏重の報道姿勢も影響しているが、東京にここまで巨大なバスターミナルが存在しなかったことも大きいだろう。

 鉄道があまり発達していない地方都市では、バスは重要な移動手段であり、バスターミナルは交通の核になる。東京は四方に新幹線が伸び、JR在来線、私鉄、地下鉄などが担う近郊輸送も充実している。ゆえにバスターミナルはあまり重視されなかったのかもしれない。

 しかし近年、外国人観光客の増加も手伝い、安価な移動手段として高速バスが注目を集めるようになってきた。その陰で悲惨な大事故もいくつか発生しているが、安全性が確保できるなら、バスは移動の選択肢のひとつとして欠かせない。そして利用者のことを考えれば、ターミナル駅のように多くのバスを1か所に集中させたほうが良い。

 東京が高速バスの重要性にやっと目覚めた。これがバスタ新宿誕生の理由のひとつではないかと考えている。

 すでに報じられているとおり、バスタ新宿はJR新宿駅のホーム上にある。1階がホーム、2階には鉄道の改札口や自由通路が入り、3階がバスの降車場、コミュニティバス「新宿WEバス」やタクシーの乗車口、インフォメーションセンター。そして4階にバスの発券カウンター、待合室、乗り場がある。

 バスは目の前を走る甲州街道(国道20号線)から、新設された信号のある交差点を曲がって建物内に入り、3階で乗客を降ろしたあと4階に登ってくる。12か所の乗り場があるロータリーには屋根がなく、バスは斜めに停車するので、排気ガスの影響は最小限であり、スペースにはかなり余裕がある。

上から見たバスタ新宿のロータリー。バスは斜めに停車する
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 それに比べると、東側に位置する発券カウンターや待合室のスペースには限りがある。筆者は平日の昼頃という、それほど混まない時間帯に訪れたが、入った途端、室温の違いを体感したほどだった。ベンチはすべて埋まっており、一部の外国人は床に座って待っていた。2階や3階には「観鉄」もできるデッキがあるが、4階には残念ながらない。

 バスは鉄道より遅れが出やすい。この日も例外ではなかった。鉄道以上に弾力的な対応が求められる。発券カウンターと待合室を別にしたり、スペースに余裕を持たせたりしても良かったのではないだろうか。空港のように天井を高くすれば、室温を下げ、心理的な閉塞感を減らすこともできる。

 もうひとつ気になったのは、乗り場の分け方が、空港、東名、中央道、関越道、関西・北陸となっていたことだ。外国人はもちろん、国内の観光客でも、中央道や関越道がどの都市を走っているか、熟知している人は多くないだろう。日本地図で区分を伝えたほうが分かりやすいのではないかと思った。

すべての交通が1か所に集約

3階にはタクシー乗り場がある
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 もちろん歓迎すべき点もある。なによりも、鉄道、バス、タクシーのターミナルをまとめ、交通結節点としたことは評価したい。

 これまで多くのターミナルは、鉄道、バス、タクシーにそれぞれ別の場所を与えていた。運営側から見ればそのほうが管理しやすい。しかし利用者から見れば、すべての交通を1か所に集めた方が望ましい。バスタ新宿は利用者目線を考慮した施設だと感じた。

 こうした考え方は、ヨーロッパではいくつも先例がある。最近は我が国でも、新幹線駅の下に路面電車の停留場を配置した富山駅など、導入例が増えている。バスタ新宿の場合、そこにタクシーも取り込んだことが新鮮だ。

 しかも新宿駅南口の場合、従来はタクシー乗り場が甲州街道の路肩にあり、乗車待ちのタクシーが伸びて車線を占領し、渋滞を引き起こすことが何度もあった。筆者は新宿に近い初台に事務所を構えており、都心方面から自動車で戻る際に、幾度となくこの渋滞にはまった。

 ところがバスタ新宿開業後、歩道橋から甲州街道を眺めると、同じ場所とは思えないほど空いていた。バスタ新宿の開業は、新宿を自動車で通過する人にもメリットをもたらしていた。

 単にバスターミナルを作るだけでなく、それを駅の真上に置き、タクシー乗り場も中に取り込むことで交通結節点としての機能を持たせ、周辺の道路の円滑な通行まで実現している。モビリティ(移動性)全体を見据えた施設というところに好感が持てる。

 それにしても驚いたのは、すでに溢れるほどの人々がバスタ新宿を利用していたことである。これまで新宿の各所に散り散りになっていたバス利用者が1か所に集結すると、これだけのボリュームになるということなのだろう。ただし取材日に限れば、運行面には大きな問題はなかった。

東京の人の流れを変える可能性も

 この勢いが続くと、東京の人の流れを変えるほどのターミナルに成長するかもしれない。その理由は、羽田・成田の両空港からのリムジンバスや成田エクスプレスがここに到着し、フロアを移動するだけで他のバスや鉄道に乗り換えられるという利便性の高さにある。

 これまで東京駅や品川駅などに向かっていた空港利用者が、バスタ新宿の使い勝手の良さを知って、新宿に押し寄せる可能性がある。特に羽田は、昨年春の首都高速道路山手トンネル全通によって、リムジンバスを使っての新宿までの所要時間が大幅に短縮されていることも後押しになる。

 新宿からは、松本や日光、箱根などへ向かう特急列車も出ているが、バスタという名前も手伝って、バスを選択する人が増えるのではないだろうか。さらに東京駅や品川駅から新幹線での移動を考えていた人が、バスに乗り換える可能性もある。

 タクシーやWEバスに乗れば、近隣のホテルへも楽に行ける。よって宿泊客の増加も予想される。新宿駅東口と西口の周辺を巡回するWEバスは、これまでは知る人ぞ知る存在だったが、バスタ新宿乗り入れで知名度が上がるかもしれない。

 バスタ新宿は、高速バスから高速バスへの乗り換えという、これまでの東京ではあまり考えられなかった利用を容易にした。場所を提供したJR東日本にとって、バス人気が高まることは複雑かもしれないが、鉄道やタクシーを含めた交通結節点としての成功を収めることは、モビリティ全体の大きな枠組みで考えると、とても価値のある取り組みである。
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2016年04月26日

八王子市が、国史跡「滝山城跡」の観光地化の取り組みをはじめる。今後、大型観光バス駐車場整備なども課題に

 以前ブログで【八王子八十八景12番「滝山公園」(高月町)5千本の桜が咲く都内有数の桜の名所B】を紹介しました。
http://welovehachioji.seesaa.net/article/359842127.html

 国史跡滝山城跡」の観光地としての魅了を高めるため、八王子市が取り組みをはじめています。

 滝山城跡は、戦国時代の土塁(どるい)や空堀(からぼり)など、遺構が良好に残る全国でも有数の中世城郭跡といわれています。しかし、これまで観光地として開発されていませんでした。
 実は駐車場(29台)ができたのも2015年3月22日という有様で、まったく観光資源を生かしていませんでした。
http://welovehachioji.seesaa.net/article/416301997.html

 しかし、ここにきて、滝山城跡滝山荘をリニューアルし、甲冑ガイドをスタートさせるなど観光地として開発する意欲を見せ始めています。

 また観光アプリ「AR滝山城跡」の配信をスタート。このアプリは、実際に現地でスマートフォンを風景にかざすことで、約450年前の滝山城の姿がイラストで映し出され、当時の世界観を疑似体験できるというもの。

 八王子市は、滝山城跡の新たな楽しみ方を提供することで観光客の増加を狙っているそうですが、大型観光バス駐車場の整備など、根本的な観光インフラに取り組まない限り、折角の観光資源を有効利用することはできないでしょう。

 滝山城跡までは、車か一般バスでアクセスするしかなく、電車や地下鉄などの公共交通手段がありません。現地までの公共交通インフラが貧弱で、個人観光客の大幅な増加は見込めません。せめて最低限、大型観光バス駐車場を確保し、団体客を誘致できるようになれば、ローカルな観光地から脱却できると思います。

 現在、駐車場のある滝山街道沿いで駐車場拡大は難しいでしょうから、滝ガ原運動場(八王子市高月町)周辺に大型観光バス駐車場を整備し、滝山城跡へのアクセスアップを図るべきです。その際、国道16号(拝島橋手前)から滝ガ原運動場に向かう道路を上下1車線ずつの2車線に整備し歩道も設置すべきでしょう。

 滝ガ原運動場は多くの市民に利用されていますが、アクセス道路が狭く歩道もない。危険で荒れ放題、放置されている道路というイメージがあります。

 駐車場や道路の整備とともに、駐車場から滝山城跡までのリフト設置などができれば、足腰の弱い老齢者にも観光しやすく、観光地としての魅力も高まります。さらに駐車場に隣接して八王子の特産物などを販売する施設があると観光客にも喜ばれるはずですし、地元の農家の方々にも喜ばれる施設となるでしょう。

 八王子市には、今後、滝山城跡の観光地化のため、民活を利用しながら本格的に取り組んでほしいですね。

八王子市プレスリリース(平成28年3月23日)
市内観光地のさらなる魅力向上へ
滝山城跡では旧滝山荘をリニューアル、甲冑ガイドをスタート
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/dbps_data/_material_/localhost/soshiki/kochokohoshitsu/koho/H28/0323kaiken.pdf

八王子市プレスリリース(平成28年4月15日)
戦国の名城が蘇る「AR滝山城跡」
AR(拡張現実)で新たな魅力発信
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/dbps_data/_material_/localhost/soshiki/kochokohoshitsu/koho/H28/kaiken280415.pdf


【記事@】
八王子市 滝山を「第二の高尾山」に
観光地として開発進める
(2016年4月7日号 タウンニュース八王子版)
http://www.townnews.co.jp/0305/2016/04/07/327278.html

「滝山城跡桜まつり」で登場した甲冑ガイド
国指定の史跡・滝山城跡.jpg

 八王子市が滝山地区を高尾山に続く市内観光スポットに育てるための取り組みを進めている。新たな観光名所をつくることで、市の魅力を高め、その波及効果を市内全域に広げていきたい考えだ。

 2007年に観光地を星の数で評価する「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得したこともあり、年間約300万人が訪れるとも言われるほどの観光スポットに育った高尾山。一方で、市全域が観光地としての魅力を高めていくためには、高尾山への観光客一極集中からの脱却を図る必要があると市は判断し、「第二の高尾山」を育てようと、観光名所となる場所を模索してきた。

「人呼べるスポット」存在

 そこで市が注目したのが滝山エリア。東京都唯一の道の駅や国指定の史跡・滝山城跡など、「人を呼べる」スポットが存在するほか、圏央道延伸や新滝山街道の開通などで交通の利便性が高まっているためだ。

 13年度に、市は同地区周辺住民らと滝山観光を推進するための構想を構築。翌14年度には、その構想を基に、具体化するための計画づくりに着手した。昨年度からは、地方活性化のために自治体が行う取組みを国が補助する「地方創生事業」の先行型事業として、旧国民宿舎「滝山荘」のリニューアルや、滝山地域を案内するボランティアガイドの育成講座を開くなどの取り組みを市は行ってきた。「歴史探索や自然を楽しめる点など滝山の魅力を広くPRすれば、多くの来訪者を期待できると考えている。16年度も引き続き、地域の皆様と共に事業を進めていく」と市担当者。

 3月に、市は市内外の旅行会社のツアー企画担当者を招き、滝山の名所をまわる「モニターツアー」を敢行。各社が企画する観光ツアーに滝山エリアを盛り込んでもらおうと、市は甲冑を着たボランティアガイドに協力を仰ぐなど、「本番さながらに」滝山をPRした。参加した旅行会社担当者からは「認知度が高くない分、穴場としての魅力がある」、「甲冑ガイドは臨場感があって良かった」などの声が聞かれた。

駐車場の少なさ 課題

 「観光地」づくりで課題となるのがハード面。なかでも、モニターツアーの参加者のひとりが指摘するのが、駐車場の少なさだ。ツアーでまわった滝山、高月両城跡周辺には、複数の観光バスが止まれる駐車場が無いほか、道の駅「八王子滝山」の駐車スペースも団体客を乗せたバスを誘導するのには十分でないと話す。「高月城跡をまわる道も整備されておらず、けもの道のよう。まだ観光ツアーに取り入れる段階ではない」と感想を漏らした。

 一方で、ソフト面に可能性を示すむきもある。甲冑ガイドや、新たにアトラクションを企画し”話題性”を高めることで、「滝山を知る」きっかけづくりから着手すべきとの声だ。

 市は現在、同エリアで春季のみ行われている祭りを新たに秋冬にも開催したり、甲冑ガイドの育成を強化する考えをもっている。「滝山地域への観光誘客により、市の魅力を高めると共に、市内他エリアの活性化にもつなげていきたい」と市担当者は話している。

 都市・地域計画を研究する明星大学の西浦定継教授は「市内各地で観光地開発をするのと同時に、新たな交通機関を整備するなど、それら取り組みを繋ぐ政策も考えてもらいたい。ネットワークでつないで八王子全体として盛り上がるようになれば」と話している。


【記事A】
スマホで「滝山城」復活 八王子市がアプリ
(2016年4月22日 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201604/CK2016042202000164.html

アプリを使うと、櫓や板塀などが表示される=八王子市で
滝山城跡 アプリ.jpg

 八王子市は、戦国時代の土塁(どるい)や空堀(からぼり)などが良好に残る国史跡「滝山城跡」で、450年前の城の様子を疑似体感できるスマートフォン用アプリ「AR滝山城跡」の無料配信を始めた。スマホのカメラを向けると、画面に映った風景に館や櫓(やぐら)、兵士などのイラストが出現する拡張現実(AR)の技術を活用。城跡の魅力を高め、観光客の増加を目指す。(村松権主麿)

 滝山城跡は、JR八王子駅の北約四キロの丘陵地にある。城としては、北側が崖で登りにくく、目の前に多摩川も流れていて守りやすかったが、南側は傾斜が緩やかで攻めやすいため、地形を生かした緻密な防御構造がつくられた。

 味方の兵士らが待機する場所として、平たんな「曲輪(くるわ)」がいくつも設けられ、その周囲などに土塁と空堀が巡らされた。大きな開発を免れ、遺構の保存状態は良好だが、部分的な発掘調査しか行われておらず、建物のあった場所や規模などは分からないことが多い。

 市が作成したアプリの内容は、同城跡でガイドや保存活動をしているNPO法人「滝山城跡群・自然と歴史を守る会」が監修した。西山富保(とみやす)理事長(80)は「当時の人たちがどのように敵を防ごうとしたのか、分かりやすい内容にしたかった」と説明する。

 アプリのダウンロードは、城跡などで配布するチラシのQRコードを読み取るとできる。アイフォーンはApp Store、アンドロイド端末はGoogle Playからも可能。城跡には遺構などの説明板が十カ所あり、それぞれに表示されたARマーカーをスマホのカメラで読み取ると、周囲一八〇度の風景に、イラストの櫓や板塀などが重ね合わされる。やりや弓を持った兵士が動くシーンもあり、音声ガイドを聞くこともできる。

 千畳敷と呼ばれる曲輪では大きな館が表示され、守る会は、客をもてなすための建物があったと推測している。AR以外の機能は、城主だった北条氏照の生い立ちや築城の経緯などを動画で紹介する「滝山アニメ」、ARマーカーの場所と散策ルート、見どころを案内する「滝山マップ」がある。英語と中国語にも対応するが、音声は日本語のみ。

 城跡の南側には、滝山街道(国道411号)の「丹木町三丁目」交差点角に観光客向けの駐車場がある。問い合わせは市観光課=電042(620)7378=へ。

 <滝山城> 1521年、武蔵国守護代の大石定重が築城したとされる。小田原を拠点とする北条氏康の支配下に入り、三男の氏照が居城として大改造した。69年、武田信玄、勝頼の父子による猛攻に耐えたが、豊臣秀吉の東国攻めに備えるため、南西に約9キロ離れた八王子城が80年代ごろに築かれ、拠点が移った。

◆作成協力NPO 甲冑隊で盛り上げ

 アプリ作成に協力したNPO法人「滝山城跡群・自然と歴史を守る会」の会員らは昨年度、市のボランティア育成研修を受け、案内のノウハウを学んだほか、甲冑(かっちゅう)も製作した。今後、市公認のボランティア団体「ウジテラーズ」として活動し、甲冑隊でイベントなどを盛り上げる。西山理事長は「アプリも活用してガイドを行い、多くの人に楽しんでもらいたい」と話す。

 同会は年に数回、ガイドツアーや講演会などを企画しているほか、個人や団体の申し込みを受け付け、無料ガイドを行っている。5月に本年度の活動が決まるイベント案内や、ガイドの申し込み方法はホームページ「よみがえる滝山城」を参照。問い合わせは西山理事長=電090(4390)7831=へ。
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2016年04月20日

4月7日の国の答申は、多摩都市モノレール延伸の「ランク付け」行わず。八王子ルートが再浮上だが、LRT検討も

 以前ブログで【石森孝志市長が、2016年度から次世代型路面電車(LRT)導入の検討開始。中心市街地(八王子駅)と多摩ニュータウン(南大沢駅)を結ぶ】を紹介しました。
http://welovehachioji.seesaa.net/article/433017626.html

 このときにも触れましたが、多摩都市モノレールについて、東京都は2015年7月、瑞穂町町田市への延伸ルートを「優先的に整備すべき路線」と位置付け、一方、八王子ルートは、これまでと同じ「検討すべき路線」にとどめ、国への答申としました。

 八王子ルートは据え置かれたため、実質的な格下げです。これで一気に多摩都市モノレール八王子ルートの実現は遠のきました。

 ところが2016年4月7日、国土交通大臣の諮問機関・交通政策審議会(交政審)は、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」を開き、鉄道整備の基本計画案を公表、これまでのような路線ごとの事実上の「ランク付け」を行いませんでした。

 これによって、多摩都市モノレール八王子ルートは、瑞穂町町田市への延伸ルートと横並びになり、同じスタートラインに立ったといえます。

 しかしながら、多摩都市モノレールの三方向への延伸は、路線ごとに明らかに温度差がついています。

 交政審の小委員会がまとめた答申案では、上北台−箱根ケ崎間は事業化へ一歩前進した形。多摩センター−町田間も延伸へ一歩踏み込んだが、モノレールを通すことのできる幅の広い道路の整備が課題とされました。一方、多摩センター−八王子間は関係機関による事業計画の十分な検討といった課題が指摘されています。

 要するに多摩都市モノレール八王子ルートは、事業計画の十分な検討さえされていないと、指摘されているわけです。これはその通りでしょう。

 実際、八王子市は、八王子ルートの妥当性、採算性などをまったくといっていいほど具体化していないし、事業計画に値するものもつくっていません。これではモノレールを通してくれと言っても、基づく基礎資料・データもないし、関係者を説得するのは難しいでしょう。

 本当にモノレールを通す気があれば、市が予算を計上して、専門の委員会を立ち上げ、実際のルート(道路)確保や、駅の設置場所、乗客数の推計、採算性など、具体的な事業計画を作成し、それを基に関係部署に働きかけをしなければなりません。

 多摩都市モノレール八王子ルート実現について、掛け声だけで、実質、何もしてこなかった八王子市の怠慢ぶりを感じます。たぶん当事者の八王子市自体が実現は無理だと思っていたふしがあります。

 遅まきながら、石森孝志八王子市長は、年初にモノレールLRTを並行して検討していくと表明しました。そうであればモノレールLRTの両方の予算を計上して、具体的な取り組みを進めてほしいですね。

 私個人の考えでは、多摩都市モノレール八王子ルートは、他の2ルートと横並びにはなりましたが、国の答申での温度差が明らかであり、また八王子市の取り組みの遅れから早期実現は不可能だと思っています。

 早期に実現可能なのは、八王子市独自で整備するLRT以外にありません。八王子駅南大沢駅、市の2大拠点を結ぶため、市にはLRTを中心に考えていただきたい。その際、八王子医療刑務所跡地の一部をLRT車両基地として利用すれば効率的だと思います。

 LRTが黒字化すれば市の財政収入にもなるわけです。幸いにも八王子駅南大沢駅を結ぶルートは、人口増加エリアであり、八王子みなみ野シティを中心として企業の進出も盛んです。さらに多摩美術大学を始め幾つもの大学があり、うまくルート編成すれば、安定的な乗客数が見込めます。

 大学の交通利便性を高め、都心回帰の進む大学を八王子に繋ぎ止める役割のほか、更なる大学誘致の可能性も生まれます。

 そして何よりも、八王子駅のみならず、八王子市の第二の拠点都市、南大沢LRT開通で京王相模原線との乗り換え駅となり、ターミナル機能がアップ。ますます発展するきっかけとなります。将来、多摩センターからモノレール南大沢まで伸びれば、南大沢駅は、LRTモノレール京王相模原線が交差する市の第二拠点都市として相応しい成長を遂げるでしょう。

 ちょうどタイミングよく以下の記事を発見しました。


東京都八王子市/LRTの導入検討/多摩モノレール延伸と両にらみ
(2016/4/18 日刊建設工業新聞)
https://www.decn.co.jp/onlineservice/News/detail/3201604180404

 東京都八王子市は、同市南東部エリアに新交通システムとしてLRT(次世代型路面電車)を導入する検討調査に乗りだす。本年度はLRTの先進都市として事業を進めている宇都宮市などの視察を実施。国や都などの行政機関と事業化に向けた協議を進めていく考えだ。
 LRTの導入検討地域は、交通政策審議会(交政審、国土交通相の諮問機関)の小委員会が7日に公表した「東京圏の今後の都市鉄道のあり方」に関する答申案で延伸方針が示された多摩都市モノレールの「八王子ルート」。延長約17キロで、多摩センター駅から多摩ニュータウン(NT)の小田急多摩線唐木田駅付近、京王相模原線南大沢駅付近、多摩美術大学付近を経由して、八王子市NTの横浜線八王子みなみ野駅付近を通り、JR八王子駅へ至る。
 市中心部とNT地域のアクセス向上を目指し、モノレール延伸と両にらみでLRTの導入も検討していく。


 ぜひ石森孝志市長には、類似規模自治体の宇都宮市に負けないように、早期に八王子LRT実現をはかり、八王子発展のため、市民の利便性向上のため、ご尽力していただきたいと思います。

 首都圏では無造作に住宅地が広がったのはいいが、公共交通システムが整備されないまま、エリアの老齢化を迎え、その地域がそのまま廃墟化するという事例が今後増えていくものと予測します。

 老人になったら車は乗れません。そのときにLRTのような老人に優しい交通システムが整備されていれば、買い物難民になることもありません。ぜひスピード感をもって、10年以内にLRT実現をお願いしたいと思います。


【記事@】
交政審、東京圏の鉄道整備案を公表…新線の「ランク付け」行わず
(2016年4月8日 レスポンス)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160408-00000000-rps-soci

4月7日に国土交通省で開かれた交通政策審議会の小委員会。東京圏の新しい鉄道整備基本計画案が公表された。
交政審、東京圏の鉄道整備案を公表.jpg

 国土交通大臣の諮問機関・交通政策審議会(交政審)は4月7日、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」(委員長・家田仁政策研究大学院大学教授)を開き、鉄道整備の基本計画案を公表した。

 東京圏の鉄道網整備は2000年1月、交政審の前身である運輸政策審議会(運政審)が答申した基本計画(運政審18号答申)に基づいて進められてきたが、同答申の目標年次が2015年だったことから、これに代わる新しい基本計画がまとめられることになり、2014年5月から小委員会での検討が行われてきた。

 基本計画案によると、現在の東京圏の都市鉄道は、ネットワークやサービスが「世界に誇るべき水準」にあるとしつつ、都市間の国際競争の激化や訪日外国人の増加、少子高齢化や人口減少、オリンピックの開催決定などによって「取り巻く環境は大きく変化」したとし、空港アクセスの改善や混雑緩和なども「更なる取組が必要」とした。

 こうした状況から、基本計画案は「概ね15年後(2030年頃)を念頭」に置き、「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」として「(1)国際競争力の強化に資する都市鉄道」「(2)豊かな国民生活に資する都市鉄道」「(3)まちづくりと連携した持続可能な都市鉄道」「(4)駅空間の質的変化〜次世代ステーションの創造〜」「(5)信頼と安心の都市鉄道〜安全運行を前提とした遅延対策の強化〜」「(6)災害対策の強力な推進と取組の『見える化』」を掲げた。

■オリンピック見据えた駅の改善「早急に実施すべき」

 「国際競争力の強化」では、空港・新幹線駅のアクセス強化や、国際競争力強化の拠点となるまちづくりと連携して駅や路線を整備することを盛り込んだ。「豊かな国民生活」では、朝のピーク時だけでなくピーク時以外の混雑への対応も盛り込み、他の交通機関も含めた「移動全体のシームレス化」も推進。将来的には情報通信技術(ICT)の進展を踏まえ、改札内外で駅構内を仕切らない駅(ラッチフリー駅)の実現可能性についても検討するものとした。

 「まちづくりと連携」では、ユニバーサルデザイン化の推進や、鉄道沿線のまちづくりに向けた関係者の連携強化を盛り込んだ。障害者や高齢者の移動の円滑化では、施設のバリアフリー化のほか事前の情報提供も重要だとした。外国人への対応については、無料の公衆無線LANの整備、情報提供の多言語化などの取り組みが必要とした。

 「駅空間の質的変化」では、「駅まちマネジメント(駅マネ)」を推進。駅ごとの関係者が一堂に介して課題の共有や調整を図る「駅まち会議」を設置し、計画・実行・評価・改善を継続的に行う「PDCAサイクル」を実施しながら課題の解決を図ることが重要とした。とくに空港駅や空港アクセス乗換駅などの拠点駅では、2020年の東京オリンピック開催に向け、複数の鉄道事業者が統合して運行情報を提供するなどの取り組みを「早急に実施すべき」とした。

 「信頼と安心」では、列車の遅れ対策として「見える化」を推進。まずは遅延に関する「適切な指標」を設定した上で、遅延の現状と改善の状況を分かりやすくすることが重要であるとした。また、国に対しては遅延の発生状況を毎年公表して推移を確認できるようにすること、鉄道事業者に対しては運行実績データの詳細な分析や他の鉄道事業者との比較を行うことで対策を講じることを求めた。

■新線プロジェクトは羽田空港アクセス線など24路線

 新線や複々線化などのプロジェクトは、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」と「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」として、24路線を盛り込んだ。

 このうち「国際競争力の強化」では、押上〜新東京〜泉岳寺間の都心直結線、田町・大井町・東京テレポート〜東京貨物ターミナル〜羽田空港間の羽田空港アクセス線、矢口渡〜蒲田〜京急蒲田〜大鳥居間の新空港線(蒲蒲線)など8路線が盛り込まれた。

 大半は成田国際空港や東京国際空港(羽田空港)へのアクセス改善を図る路線だが、臨海部〜銀座〜東京間を結ぶ都心部・臨海地域地下鉄の整備と常磐新線(つくばエクスプレス)の秋葉原〜東京間延伸を一体的に行って相互直通運転を行うことや、東京8号線(有楽町線)の分岐延伸線となる豊洲〜住吉間の整備、リニア中央新幹線の始発駅となる品川駅から白金高輪駅までを結ぶ都心部・品川地下鉄の整備も盛り込んだ。

 一方、「地域の成長」は16路線。埼玉高速鉄道線の浦和美園〜岩槻〜蓮田間延伸、東京12号線(大江戸線)の光が丘〜大泉学園町〜東所沢間延伸、多摩都市モノレールの上北台〜箱根ヶ崎・多摩センター〜八王子・多摩センター〜町田各区間の延伸、横浜3号線(ブルーライン)のあざみ野〜新百合ヶ丘間延伸などが盛り込まれた。

 軽量軌道交通(LRT)など中量軌道の整備については、まずバス高速輸送システム(BRT)を導入し、将来的には中量軌道などに移行するといった段階的整備も「視野に入れるべき」とした。このほか、駅の改良事業として成田空港駅・空港第2ビル駅(二重改札の解消など)、品川駅(京急品川駅の地平化・2面4線化など)、浜松町駅(歩行者通路の整備など)などが盛り込まれた。

■「ランク分けより期待と課題」盛り込む

 前回の運政審18号答申では、路線ごとに事実上の「ランク付け」を行い、目標年次(2015年)までに開業することが適当である路線(A1)、目標年次までに整備着手することが適当である路線(A2)、今後整備について検討すべき路線(B)の三つに分けていた。今回の基本計画案では「ランク付け」を行っておらず、整備の優先順位も明確には示されていない。

 ただ、各路線の「課題」の項目では「事業計画について十分な検討が行われることを“期待”」といった表現が目立つ一方、「事業計画の検討の深度化を図る“べき”」といった、やや強めの表現が一部の路線で見られる。「べき」の表現が使われている路線は、羽田空港アクセス線、蒲蒲線の一部(矢口渡〜京急蒲田)、有楽町線の分岐延伸線、大江戸線延伸の一部(光が丘〜大泉学園町)、多摩都市モノレール延伸の一部(上北台〜箱根ヶ崎・多摩センター町田)、ブルーライン延伸の6路線のみ。交政審は、これら6路線を優先度の高い路線として考えているものと見られる。

 家田委員長は小委員会の終了後、「(運政審18号答申で)ランク分けしたが、その通りにならなかった。それがこの15年の経験。紙の上での形式的なランク分けではなく、我々が各プロジェクトにどういうことを期待しているか、どういうことが課題であるかを(今回の基本計画案で)明確にした」などと述べた。

 今回の基本計画の取りまとめに際しては、パブリックコメントが実施される。意見募集期間は4月8日から14日まで。国土交通省の鉄道局都市鉄道政策課が電子メール・郵送・ファクスで受け付ける。基本計画は4月中にとりまとめられ、国交相に答申される見込みだ。《レスポンス 草町義和》


【記事A】
交政審小委/今後15年の東京圏都市鉄道整備方針/新設・延伸・複々線化に24事業
(2016年4月8日 日刊建設工業新聞)
https://www.decn.co.jp/?p=65880

 今後15年で東京圏で推進する都市鉄道ネットワークの整備方針を検討してきた交通政策審議会(交政審、国土交通相の諮問機関)の小委員会は7日、空港アクセス鉄道計画の推進などを柱とする答申案をまとめた。2020年東京五輪を契機とする訪日外国人旅行者(インバウンド)の急増に対応。東京都心と羽田、成田両空港を結ぶアクセス鉄道計画を中心に計24の新設・延伸・複々線化事業を盛り込んだ。14日まで答申案への意見を募集した上で、月内にも答申をまとめる。

 東京圏の都市鉄道整備方針はおおむね15年ごとに見直されており、新たな整備方針の基になる答申案は、交政審陸上交通分科会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」(委員長・家田仁東大大学院教授)が「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」として同日まとめた。

 今回の整備方針案では、旧運輸政策審議会が00年1月に整備計画として答申した前回計画(15年度ごろまで)とは異なり、開業や整備着手の目標年次を「A1」や「A2」といった形で明確に振り分ける方法はやめた。前回計画の大半の事業が目標年次より遅れたためだ。

 答申案では、24の鉄道ネットワーク整備のうち、8事業を「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」、16事業を「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」に振り分けた。

 国際競争力の強化に資する事業には、空港アクセス鉄道計画と都心内の移動の利便性を高める計画を中心に盛り込んだ。

 新規に盛り込んだ主な事業を見ると、国交省がPFI方式で計画している都心直結線の新設は、羽田、成田両空港に接続する京成電鉄、京浜急行電鉄と相互乗り入れしている都営地下鉄浅草線の押上駅〜泉岳寺駅間(約11キロ)に短絡線を設けて東京駅と両空港を直結させる。京急電鉄による京急空港線終着駅となる羽田空港国内線ターミナル駅での引き上げ線の整備は、東京・横浜方面への運行本数を増やす狙いがある。

 事業主体は未定だが、リニア中央新幹線の発着駅となる品川と都心部を行き来しやすくする「都心部・品川地下鉄構想」(白金高輪〜品川)の新設も新たに盛り込んだ。

 都内で終点となっている小田急多摩線をリニア中央新幹線の中間駅となる「神奈川県駅(仮称)」方面に延伸する計画も盛り込まれた。

 これら以外のほぼ全事業は、前回計画から継続する形になっている。
 
 今後15年で東京圏で推進する都市鉄道ネットワーク整備の24プロジェクトは次の通り。
 【国際競争力の強化に資する鉄道ネットワーク整備プロジェクト(8プロジェクト)】
 △都心直結線新設(押上〜新東京〜泉岳寺)
 △羽田空港アクセス線新設及び京葉線・りんかい線相互直通運転化(田町駅付近・大井町付近・東京テレポート〜東京貨物ターミナル付近〜羽田空港、新木場)
 △新空港線新設(矢口渡〜蒲田〜京急蒲田〜大鳥居)
 △京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅引上線の新設
 △常磐新線延伸(秋葉原〜東京〈新東京〉)
 △都心部・臨海地域地下鉄構想新設及び同構想と常磐新線延伸の一体整備(臨海部〜銀座〜東京)
 △東京8号線(有楽町線)延伸(豊洲〜住吉)
 △都心部・品川地下鉄構想新設(白金高輪〜品川)
 【地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資する整備プロジェクト(16プロジェクト)】
 △東西交通大宮ルート新設(大宮〜さいたま新都心〜浦和美園〈中量軌道システム〉)
 △埼玉高速鉄道線延伸(浦和美園〜岩槻〜蓮田)
 △東京12号線(大江戸線)延伸(光が丘〜大泉学園町〜東所沢)
 △多摩都市モノレール延伸(上北台〜箱根ケ崎、多摩センター〜八王子、多摩センター〜町田)
 △東京8号線延伸(押上〜野田市)
 △東京11号線延伸(押上〜四ツ木〜松戸)
 △総武線・京葉線接続新線新設(新木場〜市川塩浜付近〜津田沼)
 △京葉線の中央線方面延伸及び中央線複々線化(東京〜三鷹〜立川)
 △京王線複々線化(笹塚〜調布)
 △区部周辺部環状公共交通新設(葛西臨海公園〜赤羽〜田園調布)
 △東海道貨物支線貨客併用化及び川崎アプローチ線新設(品川・東京テレポート〜浜川崎〜桜木町、浜川崎〜川崎新町〜川崎)
 △小田急小田原線複々線化及び小田急多摩線延伸(登戸〜新百合ケ丘、唐木田〜相模原〜上溝)
 △東急田園都市線複々線化(溝の口〜鷺沼)
 △横浜3号線延伸(あざみ野〜新百合ケ丘)
 △横浜環状鉄道新設(日吉〜鶴見、中山〜二俣川〜東戸塚〜上大岡〜根岸〜元町・中華街)
 △相模鉄道いずみ野線延伸(湘南台〜倉見)。

【記事B】
多摩都市モノレール延伸 武蔵村山市長「大きな一歩」
(2016年4月8日 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201604/CK2016040802000153.html

 国土交通省の交通政策審議会の小委員会が七日まとめた答申案で、多摩都市モノレールの三方向への延伸は、路線ごとに温度差がついた。上北台−箱根ケ崎間は事業化へ一歩前進した形。多摩センター−町田間も延伸へ一歩踏み込んだが、モノレールを通すことのできる幅の広い道路の整備が課題とされた。多摩センター−八王子間は関係機関による事業計画の十分な検討といった課題が指摘された。

 「市民の悲願実現へ、大きな一歩」−。上北台−箱根ケ崎間にある武蔵村山市の藤野勝市長は、答申案を評価するコメントを出した。都内では唯一の鉄道がない市と言われてきただけに、延伸に対する期待は大きい。市は延伸を見据え、市役所近くの本町や榎地区の一部で土地区画整理事業を進め、モノレールが通る道路の拡幅用地や駅を想定した交通広場用地などを確保してきた。藤野市長のコメントはさらに「(延伸の)早期実現に向けた動きが加速していくと期待している。延伸に向けた街づくりに取り組む」と続いた。

 町田市への延伸は「事業化に向けて具体的な調整を進めるべき」とされ、前回答申よりも踏み込んだ表現になった。市交通事業推進課は「良いニュース」と喜んだが、延伸路線約十三キロのうち、軌道が通る道路が完成しているのは七キロのみで「早急に都と協議し、どちらが道路を造るのか話し合いたい」とした。 (萩原誠、栗原淳)
posted by 銀河流星 at 06:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 八王子タウン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする