
障害者通所施設「木馬工房」併設ギャラリーにはオープン当初に立ち寄ったことがあり、こじんまりとした清潔なギャラリーでした


「木馬工房」&併設ギャラリー(撮影:銀河流星)
【記事】
荒々しさと静けさと 色鉛筆150色使う 阿山隆之さんの世界
(2013年4月5日 東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20130405/CK2013040502000105.html
自閉症の阿山隆之さん(40)=八王子市中野町=の絵画展が、八王子市元本郷町の障害者通所施設「木馬工房」の併設ギャラリーで開かれている。八年ほど前から阿山さんに絵を教える東京造形大講師の松尾多英さん(65)は「荒々しさと静けさが同居した彼にしか描けない世界」と、阿山さんが描く線を絶賛している。 (福岡範行)
展示作品は、廃材や古い塀をキャンバスにした四十点余り。小さな壁掛けから縦百二十五センチ、横百八十センチの大作までさまざまだ。シマウマやカエルを焼きごてなどで描いた作品が多い。百五十色の色鉛筆をほぼすべて使い、マーブル状に華やかに塗って仕上げた。
阿山さんは二十五年ほど前から木馬工房に通い始め、絵も描くようになった。最初は鉛筆で酒の瓶を何百枚も書いた。力強く個性的な線は施設内で評判になっていく。
施設で月一回、松尾さんの教室が開かれるようになり、阿山さんは色の付け方を覚えた。普段の作業でも、色とりどりのガラス片を溶かしてくっつけるトンボ玉作りを担当する。複雑に色が交ざり合うトンボ玉の模様を自分で考えながら、色彩の感性を磨く。
スイギュウを描いた作品が一昨年、市民公募展で入賞した。松尾さんは「阿山さんの線は教える前に完成していた。独自性を持つことを学んでほしくて、美大生にも彼の絵の鑑賞を勧めています」と語る。
阿山さんは自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手だ。母京子さん(65)は絵を見ると、阿山さんの気持ちを感じ取れる。「楽しいんだなとか、面倒くさがってるなとか、描き方で分かる。絵は彼の言葉じゃないかなと思います」とほほ笑む。
絵画展は十二日まで。入場無料。問い合わせは、木馬工房=電042(624)3340=へ。















